NOTE_115 クリエーテリィブサービス部:中武顕輔×児嶋 翼

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BCC戦術論_ナカタケ

2010年08月13日

バトル、カスタマイズ、コレクション。

 これらは小中学生男子を虜にするキーワードであると、焼きそば好きの京都人がはんなりと教えてくれました。確かにポケモンもベイブレードもイナズマイレブンも、そんな要素が満載。古くは、メンコやベーゴマなどもこの法則に当てはまっています。

 さて、私は2種類の携帯電話を使っています。ひとつは、日本独自の進化を遂げたことからガラケー(ガラパゴスケータイ)と呼ばれるdocomoの携帯電話。もうひとつは、スマートフォンシェアNo.1を誇るiPhoneです。この2種類の携帯電話ですが、私の場合、その使用頻度は圧倒的にiPhoneの方が多いのです。なんでだろうと首をひねっていたのですが、その答えは京都人とのはんなりした会話の中にありました。

 ガラケーと呼ばれる普通の携帯電話は、「ほぼ完成品」です。後からアプリをダウンロードしたりもできますが、初期出荷の状態でさまざまな機能がついています。一方でiPhoneは、初期出荷時の機能は慎ましやか。さらにいえば、「電話」としての機能には不満すらあります。

 それでも、iPhoneなのです。

 そして、その理由として「バトル、カスタマイズ、コレクション」があるのです。

 「バトル」とは言い換えればコンテンツ力。「カスタマイズ」とは、自分流。「コレクション」とは独占欲。iPhoneの魅力は、まさにこの三要素によるところが大きいです。
 ピンからキリまである豊富なアプリ。自分の好みにあわせてダウンロード。いろいろなアプリがだんだん集まっていくという楽しさ。元小中学生男子の心を捉えるのは、もはや必然というものです。
 docomoの携帯電話は、私にとって「docomoの携帯電話」。しかし、iPhoneは「私の携帯電話」なのです。商品・サービスとして、この差は実に大きいといえます。

 ちなみに、私のおすすめアプリは、断然「ネコショット」。魚を拾うねこさんの姿に、深く感銘するすばらしいアプリです。これもまた、「私の携帯電話」を感じさせる重要なファクターといえるでしょう。


雨の日に、思う。_ナカタケ

2010年07月15日

「そろそろいらっしゃると思いましたよ。雨でしたから」

 そんなことを言い放つのは、よくいく美容院の店員です。似たようなことは、知り合いのデザイナーやカメラマンにも言われます。

 そう、彼らは私のことをこう呼びます。

 雨男、と。

 私は四六時中雨雲をつれて歩いているわけではないのに、彼らは自らを雨男の目撃者であると口を揃えます。しかし、思うのです。目撃者であるということは、つまり雨降りの現場にいるわけで、彼らもまた被疑者のはずです。にも関わらず、私を犯人扱い。この世には、神も仏も名探偵もいないようです。
 そもそも天候とは、そのエリアにおいて公平な存在。そこに差など、生まれるべくもありません。データをとるまでもありませんが、私だけ年間降水量が高いということなどあるわけがありません。

 では、なぜ私が犯人扱いされるのか?

 原因となるキーワードは、「機会」「印象」「実感」「波及」「共感」だと推測します。

 たとえば、撮影時に雨が降ったとします。「お前、雨男だろう」という会話は、雨の撮影現場では時候の挨拶のひとつです。これが、最初のトリガーとなります。
 このときの会話の内容にもよりますが、「雨男かもしれません」なんて言ってしまうと、「雨男化」は加速する可能性が増加します。もし、雨男と呼ばれたいのならば、このファーストステップは重要です。

 そして、次の機会。再び雨でも降ろうものなら、雨男という「印象」が強烈に植え付けられます。そして、そのことが口コミで伝播し、晴天時には特に動きもないのですが、雨が降るやいなや人々の頭の中では「雨=雨男=ああ、あいつがいるからだ」という式が成立します。

 雨が降るという「機会」に、最初に与えた「印象」を想起させ、雨男という存在を「実感」させ、そのことを人に伝え「波及」させ、その人がたまたま雨降りのときに雨男のことを思い出すことで「共感」する…。
 雨男をつくるためには、雨に降られ続けるという事実は必要ありません。機会を得たらしっかりと印象づけて、実感、波及、共感のサイクルをつくってあげればいいのです。

 私は悪評の定着に、ブランディングプロセスを見ました。

 ちなみに、実際のブランディングでもそうですが、このプロセスだけでは不十分です。もうひとつのキーワードは、「物語」。あるいは、「奇跡」と言い換えてもいいかもしれません。
 たとえば、私の場合で言うと、2年間参加するすべての撮影現場が雨になったとか、出張したら私のいる県だけが雨だったとか、競合他者を寄せ付けない差別化ポイントがありました。

 語り継がれるストーリーの存在こそ、ブランドというものを輝かせるのだと思います。